<チャンネルガイド2020年6月号に
掲載した内容です>

2020年5月20日

志摩のあじさいの寺

 志摩市にあじさいの寺と呼ばれている寺がある。志摩市大王町波切の大慈寺である。急な斜面に密集して咲くあじさいは迫力があり、訪れた人達は「これだけの数のあじさいは見ごたえがある。周りの景観も良い」と話す。
 大慈寺があじさいを植え始めたのは1987年、今から約30年前のことである。あじさいが綺麗に咲くまでは5年かかるので、最初の5,6年で一気に1,500株のあじさいを植えた。ホンアジサイやガクアジサイ、てまりてまりなど50品種で、斜面に植えるのは赤、青、白と色の強い花を選んでいるそうだ。あじさいの世話は主に年3回。大型連休が明けた頃に草刈りをし、開花のあとは花の剪定、秋に草刈りをする。住職の秀森一陽さんは「あじさいの木が古くなってきているので、今後は植え替えをしたり、新しい種類を境内の近くに植えていきたい」と話している。

 大慈寺では毎年6月上旬にあじさい祭りを開いている。フラワーアレンジメントやイラストの展示、コンサートや踊りなどが行われ、その2日間で約1,000人の人で賑わい、中には県外から訪れる人もいるという。しかし今年は新型コロナウィルスの関係で5月初旬になっても、開催の目途はたっていない。秀森住職は、今年の開催は中止の方向で考えていると話す。
 花が終わってすぐに剪定されるのは、来年の花に向けて養分を蓄えるためだ。1,500株のあじさいの花をひとつひとつ剪定する作業は、想像するだけでも大変な作業といえよう。しかしこの手間が次の年につながる。今年咲かなかった枝は剪定する必要はない。その枝は、来年咲くからだ。そうしてあじさいは毎年綺麗な姿を見せてくれる。

大慈寺のあじさい
◆開花期:5月中旬~ 6月下旬
◆場 所:法雨山 大慈寺(志摩市大王町波切409)

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